【院長ブログ】骨折の治療
お知らせ骨折治療の基本は「整復」と「固定」
骨折の治療では、まず折れた骨をもとの位置に戻し、その状態をしっかり保つことが基本になります。骨を正しい位置に戻すことを「整復」、その位置がずれないように保つことを「固定」といいます。適切に固定し、治療の妨げになるような外力をかけなければ、多くの場合は後遺症を残さずに治ることが期待できます。反対に、診断や治療が遅れると、治るまでに時間がかかったり、骨の変形が残ったり、骨がうまくつかないままになったりすることがあります。そのため、骨折では正しい診断と適切な治療がとても大切です。
骨をもとの位置に戻す「整復」の方法
折れた部位にずれがなければ、そのまま固定することがありますが、ずれている場合は正常な位置に戻す必要があります。これが整復です。整復には痛みを伴うため、麻酔を使って行うなど、いくつか方法があります
「徒手整復」
ひとつは、皮膚の上から医師の手で骨折部を戻す。
「牽引による整復」
です。次に、ずれた骨を持続的に引っ張って正しい位置へ戻す方法。これは、靱帯や腱、筋肉の力で骨が引っ張られ、正しい位置に保てないときに行われ、重りのついた牽引装置を用います。子どもの場合は骨がつくのが早いため、牽引だけで治ることもあります。
「観血的整復」
皮膚を切開して直接骨に力を加え、正常な位置に戻す。
固定の方法① 外固定
ギプス固定
素材はグラスファイバーまたは石膏で、強くて軽くて長持ちし、濡れても壊れないという特徴があり、現在のギプスの主流となっています。石膏のギプスは、細かな成形が必要な場合にのみ使用されます。 ギプスと骨折部の間には、皮膚を保護するために専用の綿を介在させています。
副木(そえ木)固定
石膏、グラスファイバー、アルミニウムなどでできた細長い板のことで、シーネともいいます。 骨折した部位にあてて、弾性包帯やテープで固定する方法で、患部の腫れがひくまでの、骨折の初期治療に使用されます。
鎖骨バンド・8の字包帯
鎖骨の非転位骨折(骨折したところがずれていない骨折)で行われる固定法。
三角巾固定
上腕骨や肘の骨折を固定する方法。しっかり固定したい場合は、腕をつったままさらに弾性包帯などよる固定を追加します。
固定の方法② 内固定と創外固定
麻酔をしたうえで皮膚を切開して、骨のずれを直接整復し、金属のピン、ワイヤー、スクリュー、プレート、ロッド(棒)などを用いて皮下で骨を固定。
折れた骨をつなぐ手術を骨接合術といい、ピンやワイヤーなどに用いられる金属は、ステンレス、高強度金属、チタンです。最近は、感染に強く、MRIの撮影も可能なチタンの製品が増えています。
内固定手術のおもな方法
ピンニング
Kワイヤー(キルシュナー鋼線)という先のとがった針金を骨に刺し、折れたところをつなげて固定。 皮膚を切開せず、皮膚の上から直接刺す場合。
プレート固定
金属製のプレートを骨折部位にあて、スクリュー(ねじ)で骨にとめて固定。皮膚を切開し、骨を露出させて手術を行う。
髄内釘固定
骨の中心部にある髄腔に、骨端から金属製の長いロッド(棒)を打ち込み、骨折部を切開せずに固定。
大きな骨の骨幹部(中央部分)が折れたときに行う。骨折部周辺の軟部組織(筋肉や皮膚など)を傷めることなく、比較的早期に荷重(体重をかけること)ができるという利点がある。
痛みの治療とリハビリも大切
骨折治療では、痛みへの対応も重要です。炎症が強い時期は、アイシングや鎮痛剤で痛みをやわらげます。痛みを我慢するとストレスとなり、意欲の低下につながることもあるため、つらいときは医師や看護師に伝えることが大切です。その際は、「ズキズキする」「ジンジンする」などの痛み方や、10段階でどの程度かを伝えると、状態が伝わりやすくなります。








