【院長コラム】運動不足
病気と強い関連がある運動不足
多くの病気が運動不足と関連しています。とくに、心筋梗塞や狭心症に代表される虚血性心疾患や脳梗塞など、動脈硬化がもとになる病気と強い関連があります。これは、動脈硬化の原因となる脂質異常症、高血圧、糖尿病などが運動不足と強く関連しているからです。
運動の効用と危険性
運動すると、さまざまな効果が得られます。単に、生活習慣病を予防する医学的効果や体力向上などの効果だけでなく、友人や仲間を増やしたり、ストレスを発散するなどの社会的・心理的な波及効果もあるのです。しかし、運動には危険な面があることも覚えておいてください。
運動の効用とは?
・全身の血液循環を改善し、心疾患の危険性を減らす。
・高血圧の予防改善。
・睡眠障害の改善。
・家族や友人と活動を共有できる。
・体重のコントロールに有効。
・骨量の減少(骨粗鬆症)を防止。
・基礎代謝を向上さ、肥満を予防。
・筋力を増し、他の身体活動に対する予備力が得られる。
・心理的緊張を解放する。
・自己イメージを改善する。
・高齢者は老化に関連した疾病を予防、または遅延させQOL(生活の質)向上に役立つ。
運動の種類
運動は歩行、ジョギング、エアロビクス有酸素運動を基本としましょう。肥満の解消に有効で、また、心臓や血管に対する負担が比較的軽い運動です。
一方、一気に力を発揮する無酸素運動(短距離走など)は、身体に急激に負担がかかる強いので要注意。最近は生活の質の向上のために筋力トレーニングが有効であると注目されています。ただし、呼吸を止めず、強すぎない程度に行うことが大切です。
運動の強度
運動の強度が強すぎると、危険性も高くなります。しかし、あまりに弱いと消費エネルギー量は少なくなり、運動によって得られる効果も少なくなってしまいます。一般的には、いくらでも運動を続けられそうな余裕のあるレベルから、じんわり汗ばむくらいのレベルの強さが、安全性と有効性を兼ね備えた適度な強度です。
運動中、適度なレベルかどうかを知るためには、脈拍数を目安にしましょう。
運動の所要時間
1回につき20分~60分ぐらいが適当でしょう。有酸素運動を20分以上続けると脂肪の燃焼が始まり、肥満解消の効果が出てくるといわれていましたが、10分程度の短い時間でもつねに動くよう心がけ、1日に有酸素運動を行った合計時間が、30分以上になるようにしましょう。
運動の頻度
できるだけ頻度が多いほどよいのですが、疲れを残したままで頻繁に運動をするのは好ましくありません。軽い強度ならば毎日でもよいのですが、少し強い運動は、休憩をはさんで週2~3回がおすすめです。