痔核の治療について

保存療法

痔核は生活習慣病でありますから生活を改善する生活指導が中心となります。
具体的には、便秘に対しては、ストレスの有無、生活リズム、食生活、運動量などを中心とした指導を行います。

特にあさは30分早く起床し、冷たい水分を摂取し、walkingや体操をすることが大切です。
下痢に対してはアルコールの飲用や香辛料を含む刺激物を控えるよう指導します。
次に排便時間は3分以内で終え、1回で出し切ろうとしないことが大切です。

また肛門の洗浄は清潔にするという意味では大切ですが、ウオシュレットを浣腸代わりに使用したり、長時間の洗浄は逆に痔核症状を悪化させます。

寝不足や生活リズムの乱れなどの肉体疲労も痔を悪化させるので入浴にて肛門~全身をよく温めて、十分睡眠をとることが大切です。

また過度のストレスも痔を悪化させるので、適度のストレス発散は必要です。
長時間の座業(座ること)は肛門周囲の血液の鬱滞を来し痔を悪化させるので、1時間に1度はかならず立ち上がることが大切です。 
冷えも肛門周囲の循環障害を来し痔を悪化させるので、足から下半身を中心に体全体の防寒が大切です。 
過度の飲酒はアルコールに含まれるアルカロイドが炎症を惹起するため痔核の悪化をさせます。したがって適度の飲酒が大切です。

以上の生活習慣指導と坐薬や注入軟膏による治療を含めて保存的治療といいます。大部分の痔核は保存的治療で症状が軽快します。

当院ではこれらの生活習慣指導を徹底し、特に便秘の治療に力をいれています。 
基本的には良性の病態であるため、治療を行う際は過度の侵襲は避けるべきというのが基本的な考え方です。
したがって、治療の基本は上述しましたように外用薬を主体とし生活指導を中心とした保存療法です。

痔核の外科手術

しかし出血を繰り返す症例などは外科的治療の適応になってきます。
外科的治療には従来の手術(結紮切除術)のほか、ゴム輪結さつ療法、Circular staplerを用いて環状に切除し吻合するPPH法などがあります(下記図)が、従来の痔核治療の基本は手術治療です。

内痔核の治療法【硬化療法(パオスクレー)および輪ゴム結紮法】

内痔核の治療法

輪ゴム結紮法

ピストルの様な形をした器具の先端に、直径1cmほどの筒がついています。
この筒の部分に直径2mm程の小さな輪ゴムを広げて仕掛けておいて、筒の中に痔核をつまみこんだ上で器具のレバーを握ると、ちょうどてるてる坊主の首を締めるような形に痔核が縛られる仕掛けです。
縛られた痔核は血液が通わないので、1週間ほどでしぼんで脱落します。

内痔核の治療法【PPH法】

PPH法

PPH法

PPH(procedure for prolapse and hemorrhoids). Circular Staplar という専用器具を肛門に挿入し、内痔核を器械で挟み込む手術方法です。
イタリアのLong博士が1993年に実施したのが最初の試みで、主としてイタリア・ドイツ・フランスなどで1999年までに25,000例に施行されています。
器具は、プロキシメイトHCSとして、ジョンソンアンドジョンソンより販売されています。

数年前から本邦でも使用され始め、下記のような特長を有します。
従来の手を使って痔を切除する手術(痔核根治手術)と異なり、特殊な専用の機械を使い、機械で切除、縫合をおこないます。
最大の特徴は肛門の中(内痔の部分)でのみの操作となるため術後の痛みが少ないということです。
肛門は皮膚の部分は非常に敏感なのですが肛門の中(内痔の部分)には痛覚神経はありません。
通常の手術では手術の傷が肛門の中と皮膚の両方にできます。そして肛門皮膚にできた傷が術後の痛みの原因となります。
PPHでは肛門皮膚には傷ができませんから術後の肛門がきれいで、術後の痛みが非常に小さいのです。

PPHのよい点

  • 術後の痛み(排便時の痛み)が非常に少ない。
  • 非常に大きな切除が可能で、従来の方法では時間が、かかった全周性大脱肛も短時間で手術できる。
  • ホワイトヘッド手術後遺症、不完全直腸脱などにも応用できる。
  • 術後の肛門は「腫れ」が無く、赤ん坊の肛門のようにきれいになります。

PPHの問題点

  • 外痔が大きい場合は適応ではありません。
  • 肛門の中での操作となるため出血した場合は肛門手術に慣れた医師が必要です。
  • 現在、日本では医療保険の適応ではありません。
  • 新しい技術であり、現在おこなっている施設はまだ多くありません。

内痔核の治療法【結紮切除術】

結紮切除術

 

この手術は痔核を鉗子でつかみ挙げ、つけ根の粘膜をメスで切開しながら、痔核をはがしていき、最後に痔核の根元の血管を糸で縛った後に、痔核を切り落とします。

この方法は肛門括約筋を全く傷つけること無く、内痔核のみを切除する手術ですので、術後に肛門が狭くなってしまうとか、逆に、術後に便が漏れてしまうような後遺症が起こることはありません。

また、胃や大腸などの手術とは異なり、痔核結紮切除術の場合は創部開放式または半閉鎖式といって、切除後の傷口を完全に縫い合わせることをしません。なぜならば、肛門は便の通り道であるため、傷口を縫い合わせてしまうことによって、縫い目から便が入り込み、そこに雑菌がたまり、化膿してしまうことがあるからです。

従って、この手術後には傷口が膿んでしまう心配はありませんし、むしろ、術後にできるだけ傷口を清潔に保つために、手術の翌日か翌々日から入浴もしていただくようにしております。また、手術の際には溶ける糸のみを使うため、術後に抜糸の必要もありません。

しかし患者様のなかには、肛門にメスをいれることなく治療することが可能な患者様がおられます。
続いて当院の【日帰りでできる痔の手術】をご覧ください。

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