【院長ブログ】痛風の治療法
お知らせ痛風とは?
痛風とは、血液中の尿酸が増え、関節の中で結晶となって沈着し、強い炎症を起こす病気です。「風が吹いただけで痛い」といわれるほど激しい痛みが特徴です。
患者数は増加傾向にあり、特に男性に多く、初発は30歳代が最多。40~50歳代へと続きます。30歳以上の男性では有病率は約1%、つまり「100人に1人」が痛風を経験する計算になり、決して珍しい病気ではありません。
痛風の原因
原因の中心は「尿酸」です。
尿酸は、体内のエネルギー代謝に関わる「プリン体」が分解されてできる物質です。プリン体は体内でも作られますが、一部は食事からも摂取されます。
尿酸値が高い状態(高尿酸血症:7.0mg/dl以上)が続くと、関節内で尿酸が結晶化し、これを白血球が処理する際に炎症が起こります。これが痛風発作です。
特に
・尿酸値7.0mg/dl以上で発作歴がある方
・8.0mg/dl以上で脂質異常症や尿路結石がある方
・9.0mg/dl以上(無症状含む)
は、生活指導や薬物治療の対象となります。
痛風の具体的な症状
① 突然の激しい関節痛
前日まで問題がなくても、急に強烈な痛みに襲われます。歩行困難になるほどのこともあります。再発経験者では、じわじわした違和感を「前触れ」として感じることもあります。
② 単一の関節に起こることが多い
痛風は通常1か所の関節に生じます。
起こりやすい部位は
・足の親指の付け根(最も多い)
・足首
・足の甲
・ひざ
・手首
・ひじ
外力や刺激が加わりやすい場所に出やすいのが特徴です。繰り返すと「痛風結節」と呼ばれるしこりが、耳やひじ、指先などにできることもあります。
③ 再発しやすい
適切な治療を行えば、ピークは1日程度、1~2週間で改善します。しかし生活習慣が改善されないと再発を繰り返します。市販薬でやり過ごす自己判断は禁物です。
痛風の治療は二本立て
痛風治療は
①発作を抑える治療
②尿酸値を下げる治療
の2段階で行います。
① 痛風発作に対する治療
まずは炎症を早く抑えることが重要です。
使用される薬は
・NSAIDs(インドメタシンなど)
・ステロイド内服
・コルヒチン
患者さんの状態に応じて使い分けます。
この時期は
・安静にする
・患部を冷やす(冷やしすぎに注意)
・自己判断せず受診する
ことが大切です。
初回発作時には、原則として尿酸を下げる薬は開始しません。発作中に開始すると、かえって症状が長引くことがあります。
② 高尿酸血症の治療
発作が落ち着いた後、再発予防のために尿酸値を下げます。
主な薬は
尿酸産生抑制薬
・アロプリノール
・フェブキソスタット
・トピロキソスタット
尿酸排泄促進薬
・ベンズブロマロン
・プロベネシド
・ドチヌラド
これらは毎日服用し、体内の尿酸を減らして発作を予防する薬です。生活習慣の改善が進めば、薬を減らせる可能性もあります。
痛風の食事療法
① プリン体を控える
特に多い食品は
・レバー類
・赤身魚
・白子
・ビール酵母などの健康食品
野菜中心の食事(DASH食・地中海食)が望ましいとされています。
② アルコールを控える
アルコール自体が尿酸値を上げます。飲酒量が多いと発症リスクは約2倍に増加すると報告されています。可能なら禁酒、少なくとも節酒を。
③ 水分を十分に
水やお茶で十分に水分補給し、尿酸排泄を促します。甘い飲料は避けましょう。
④ コーヒー
適量のコーヒーは発症リスクを下げる可能性があります。ただし飲み過ぎや夕方以降の摂取は注意が必要です。
⑤ 乳製品
牛乳などの乳製品は尿酸低下作用が示唆されています。糖質のとり過ぎには注意しながら取り入れましょう。
「もしかして痛風?」と感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。適切な治療で痛みを早く抑え、再発を防ぐことが可能です。








