【院長ブログ】痛風について(前兆)
お知らせ痛風とは?
痛風とは、関節内に溜まった尿酸塩結晶が原因で炎症を引き起こす病気です。血中の尿酸値が7mg/dlを超える状態が続くと、尿酸が結晶化して関節に沈着します。これが何らかの要因で剥がれると、白血球が異物と認識し、炎症を引き起こします。
痛風発作のきっかけとして、ストレス(楽しいことも含む)、激しい運動、急激な尿酸値の変動などが挙げられます。スキーやサウナの後に発作が起こるケースもあります。突然の腫れと激痛が特徴で、主に足の関節に発症します。
痛風の前兆とは?
初めての痛風発作が起こるまでには、5年以上の高尿酸血症が続くことが多いです。健康診断で尿酸値を確認し、7mg/dlを超えていないかチェックしましょう。
痛風発作の前兆としては、関節の違和感やムズムズ感があります。特に夜間に感じることが多く、足だけでなく手首などの関節にも発症する可能性があります。
痛風は治るのか?
痛風発作は、炎症を抑える薬の服用により通常1~2週間で治まります。しかし、尿酸塩が関節に沈着したままだと、再発を繰り返します。
そのため、発作が落ち着いた後も尿酸値を下げる治療を継続し、関節内の尿酸塩結晶を溶かしていくことが重要です。尿酸値6.0mg/dl以下の状態を5年以上維持することが推奨されており、生活習慣の見直しが不可欠です。
痛風の治療方法
痛風発作が起きた際は、患部を心臓より高くして冷やし、安静にしましょう。鎮痛剤を服用しますが、患部を温めたり揉んだりするのは逆効果です。
発作が治まった後、2週間以上経過してから尿酸降下薬を開始します。また、発作の前兆であるムズムズ感や違和感を感じた際には、コルヒチンを服用することで発作を予防できます。もしコルヒチンが効果を示さない場合は、通常の発作治療を行います。
ただし、発作中に尿酸値を急激に下げると逆に痛みが悪化するため、尿酸降下薬の服用は避けるべきです。
痛風を予防する生活習慣
痛風予防の鍵は、体重管理と食生活の改善です。
- バランスの取れた食事: 穀類はプリン体が少なく、肉や魚も適量(1食80g程度)なら問題ありません。ただし、鶏レバー、マイワシの干物、あん肝、白子などプリン体の多い食品は控えめに。
- 野菜や乳製品の活用: 野菜、きのこ、海藻は尿酸値を上げにくく、乳製品やお茶に含まれるカゼインやカテキンには尿酸の排泄を促す効果が期待できます。
- 十分な水分補給: こまめな水分摂取が尿酸排出を促し、結晶化を防ぎます。
- 適度な運動: 1日7000~8000歩のウォーキングを習慣にしましょう。