【院長ブログ】慢性腎不全の治療法
お知らせ慢性腎不全の治療法について
慢性腎不全は、腎臓の機能が長期間にわたり低下することで起こります。腎臓の機能が一度失われると回復が難しいため、治療の目的は進行を遅らせ、症状を管理することです。治療には主に薬物療法、食事療法、日常生活での注意点が含まれます。
1. 薬物療法
慢性腎不全を完全に治す薬はありませんが、病気の進行を抑え、合併症を防ぐための薬が使用されます。
・降圧薬:血圧を管理し、腎臓への負担を減らします。
・利尿薬:余分な水分を排出し、むくみを軽減します。
・リン吸着薬・カリウム吸着薬:血液中のリンやカリウムのバランスを保ちます。
・エリスロポエチン製剤:腎機能低下による貧血を改善します。
・ステロイド・免疫抑制剤:特定の疾患が原因の場合に使用されることがあります。
2. 食事療法
腎臓への負担を軽減するために、食事の管理が重要になります。
・タンパク質の制限:過剰摂取を防ぎ、腎機能の低下を抑えます。
・塩分の制限:1日約6g以下を目安にし、高血圧を予防します。
・カリウム・リンの調整:食品の選び方に注意し、適切なバランスを保ちます。
・エネルギーの確保:低タンパク食を維持するために、十分なカロリーを摂取することが必要です。
タンパク質の摂取量の目安は、腎機能の悪化具合によります。
3. 日常生活での心がけ
日常生活の工夫も、腎機能を維持するうえで大切です。
・無理のない運動:適度な運動で血流を促し、健康を維持します。
・体を冷やさない:血流を良くし、腎臓への負担を軽減します。
・感染症を予防する:風邪やインフルエンザなどが腎機能に悪影響を与える可能性があるため、十分な対策をしましょう。
・十分な休養:疲れをためず、規則正しい生活を心がけることが大切です。
慢性腎不全は進行性の疾患ですが、適切な治療と生活管理により、進行を遅らせることが可能です。医師の指導のもと、無理のない範囲で治療を続けていきましょう。