【院長ブログ】腎不全の原因
お知らせ慢性腎不全と急性腎不全—原因を知って予防を
腎不全は、腎臓が本来の働きを十分に果たせなくなる状態です。その原因はさまざまで、進行する前にリスクを知ることが大切です。今回は、慢性腎不全(CKD)と急性腎不全、それぞれの主な原因についてご紹介します。
慢性腎不全の主な原因
糖尿病性腎症
糖尿病の合併症の一つで、血糖値が高い状態が腎臓の血管に負担をかけ、腎機能を低下させます。腎臓の血圧が上がり、細胞が傷つくことで進行します。糖尿病を持つ方は、腎臓の定期検査が重要です。
慢性糸球体腎炎
腎臓内で血液を濾過する「糸球体」の炎症が原因です。代表的な疾患であるIgA腎症は、症状がないことも多いですが、将来的に腎不全に進む可能性があるため、定期的な経過観察が必要です。
腎硬化症
高血圧が原因で腎臓の血管が硬く狭くなり、腎臓の血流が減少します。これにより尿が作られなくなり、腎機能が低下します。血圧管理が予防の鍵です。
その他の原因
多発性嚢胞腎(遺伝性の腎疾患)
慢性腎盂腎炎(腎臓の感染症)
SLE腎炎(膠原病の一種)など
急性腎不全の主な原因
腎前性腎不全
腎臓への血流が不足することで発生します。脱水症状、大量出血、心不全が原因となることがあります。血圧が極端に下がる状態は特に注意が必要です。
腎性腎不全
腎臓自体の疾患や損傷が原因です。急性腎炎や医療行為(手術、抗生剤、造影剤の使用など)によるものが含まれます。また、腎梗塞や血栓が原因となることもあります。
腎後性腎不全
尿の通り道が塞がれることで起こります。前立腺肥大、尿管結石、膀胱がんなどが原因で、尿が腎臓から排出されず腎機能が低下します。
腎不全の予防と早期発見
腎不全は、進行するまで症状が現れにくいことが特徴です。以下のポイントに注意し、腎臓の健康を守りましょう。
定期検査:特に糖尿病や高血圧のある方は、腎機能のチェックを欠かさずに。
生活習慣の改善:塩分や脂肪分を控えたバランスの良い食事を心がけましょう。
適度な運動:血流を良くし、腎臓への負担を軽減します。
水分補給:脱水を防ぎ、腎臓の働きをサポートします。
気になる症状やリスクがある場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。腎臓の健康を守るために、日々のセルフケアと定期的な診断を心がけましょう。