【院長ブログ】肝硬変とは?肝臓を守るために知っておきたいこと
お知らせ肝硬変とはどんな病気?
肝硬変とは、肝臓の慢性的な炎症や障害が進行し、肝臓が硬くなった状態を指します。 肝炎や肝障害が長期間続くと、肝細胞が破壊と修復を繰り返し、その結果、肝臓に線維質(かさぶたのような物質)が蓄積してしまいます。
肝硬変が進むと、肝臓の働きが低下し、体にさまざまな影響を及ぼします。特に アルブミン(肝臓で作られるタンパク質)の減少や、血小板の数が少なくなるのが特徴です。また、合併症が起こりやすいため注意が必要です。
肝硬変の症状をチェック!
肝硬変は初期にはほとんど症状がありませんが、進行するにつれて次のようなサインが現れることがあります。
初期(代償性肝硬変)
肝臓の機能が維持されているため、目立った症状はありません。ただし、倦怠感や食欲不振、疲れやすさを感じる方もいます。
中期〜末期(非代償性肝硬変)
肝臓の機能が低下し、以下のような症状が見られるようになります:
- 黄疸:皮膚や白目が黄色くなり、尿の色が濃くなる
- 腹水・むくみ:お腹が張ったり、手足がむくむ
- クモ状血管腫:肩や胸に赤い模様が見られる
- 手掌紅斑:手のひらに赤い斑点が出る
- 出血しやすい:血が止まりにくくなる
- 女性化乳房(男性):乳房や乳首が大きくなる
肝硬変の主な原因
- C型肝炎ウイルス感染
- B型肝炎ウイルス感染
- 過剰なアルコール摂取
- 薬物や毒物による肝障害
- 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD):肥満や運動不足が原因となる
肝硬変を予防するためには?
肝硬変を防ぐためには、原因に合わせた予防が必要です。
以下のポイントを参考にしてください:
- 定期的な検査を受ける 初期段階では自覚症状がないため、健康診断や血液検査で早期発見を目指しましょう。
- 飲酒を控える アルコールは肝臓に大きな負担をかけます。飲みすぎを控えることが肝硬変だけでなく、他の肝疾患の予防にもつながります。
- バランスの良い食事 脂肪分を抑えた食事を心がけ、必要な栄養素をしっかり摂取しましょう。特に塩分を控えることで、腹水やむくみを防ぐことができます。
- 適度な運動 運動不足は肝硬変のリスクを高めます。ウォーキングやストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かしましょう。
肝臓を守るために、今日からできること
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、自覚症状が出にくい臓器です。そのため、定期的な検査と生活習慣の改善が何よりも重要です。
- 健康診断で肝臓の状態をチェックする
- アルコール摂取を控え、脂肪分の少ない食事を心がける
- 疲れやすい、食欲がないなどの症状を放置しない
これらを意識して、肝臓を健康に保ちましょう。