【院長コラム】メタボリックシンドロームとは?
メタボリックシンドロームの定義と特徴
メタボリックシンドロームは一連の医療状態の組み合わせを指し、内臓肥満と高血圧、脂質異常、高血糖の複合症状を有する状態です。この診断の基準は、特に腹囲(男性で85cm以上、女性で90cm以上)という内臓肥満の指標と、血圧・空腹時血糖値・脂質の基準のうち2つ以上が満たされることで確定します。
メタボリックシンドロームと健康リスク
メタボリックシンドロームは、特に2型糖尿病や心血管疾患といった重篤な健康問題へのリスクを約3倍に増大させると考えられています。また、その他の病状として非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群のリスクも高まります。これらのリスクを管理するため、適切な運動や食事療法による体重、血圧、血中脂質、血糖値の管理が必要となります。また、タバコは動脈硬化を進行させ、心臓や血管の病気を引き起こしやすくするため、禁煙も極めて重要な対策となります。
予防策と対策
体重を5~10%減少させるだけでも、メタボリックシンドロームに伴う高血圧・脂質異常・高血糖の状態が改善されると言われており、それにより糖尿病の発症も予防できます。ただし、必要に応じて薬物療法を適切なタイミングで開始し、各種危険因子を管理することも重要となります。
特定健診・特定保健指導の利用
40歳以上74歳以下の方に対し、特定健診・特定保健指導が行われています。これは、メタボリックシンドロームの早期発見と予防を目的としたもので、適切な情報提供や保健指導を通じて糖尿病や心臓・血管の病気の予防を目指しています。具体的な詳細は、自身の医療保険者に問い合わせてください。