【院長コラム】高血圧
高血圧症とは
高血圧というのは、血圧が高いという1つの症状で、くり返し測っても血圧が正常より高い場合をいいます。診察室でのくり返しの測定で最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧と診断されます。
高血圧症の種類
本態性高血圧症
原因のはっきり判らないものをいい、高血圧症の約90%がこれに入ります。本態性高血圧症は遺伝的な因子や生活習慣などの環境因子が関与しており、生活習慣病といわれています。原因としては以下のことが考えられます。
□過剰な塩分摂取
□肥満
□過剰飲酒
□精神的ストレス
□自律神経の調節異常
□運動不足
□野菜や果物(カリウムなどのミネラル)不足
□喫煙
日常生活の留意点について
減塩について
塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標に。
寒さについて
暖かい所から急に寒い所へ出ると、血管が収縮し、血圧が上がります。特に冬は室内と外気との差をなるべく少なくするようにしましょう。
入浴について
冬は、寒い脱衣所で裸になると血圧が上がり、熱い風呂に入るとさらに上昇し、風呂に浸かっていると徐々に下がります。風呂から上がると血圧は大きく下がります。あまり熱い湯(42℃以上)ではなく、ぬるめ(40℃ぐらい)の風呂に5〜10分間位浸かりましょう。風呂場は冷たくないよう暖房をかけたり湯気がたっている状態で使用するのも良いでしょう。
排泄について
いきみの時間が長いと血圧が上がります。スムーズな便通を心掛けるよう普段から便秘を予防しましょう。
十分な睡眠と休養
毎日規則正しい生活を送り休養を十分にとり疲れを残さないようにしましょう。過重労働・超過勤務・夜更かしは禁物です。
たばこについて
喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりでなく、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。
お酒について
1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20〜30mlまで、日本酒なら1合=180cc、ビール中びん1本、ウイスキー水割ならシングル2杯まで。女性はその半分までが適量です。
肥満について
太り過ぎは血圧を上げ、心臓にも負担をかけ、全身の動脈硬化を進めたりします。
高血圧の治療と同じで、根気よく、減量にとり組む心構えが必要です。